アフタレポート from FMちゃお vol.11
11月8日
文学座公演『逃げろ!芥川』
11月8日(水)午後7時から、八尾市文化会館プリズムホール小ホールで文学座公演『逃げろ!芥川』が上演されました。
文学座と八尾市文化会館は地域拠点契約を結んでおり、八尾市で優れた芸術に親しむ機会を創出する様々な事業を実施しています。
これまでにも演劇を身近に感じるワークショップや朗読会、学校訪問などに共同で取り組んできました。
プレイベントや関連企画もご紹介!
今回の公演に際しても2回のプレイベントを行うなど、本公演への期待を高めるとともに市民の方々が演劇に触れて関心を深められる企画を実施してきました。
(過去2回のイベントの様子もアフターレポートにてお届けしています!こちらからぜひチェック!)
(左:7/1開催 あなたの日常会話を芝居のセリフにするとどうなるか
右:8/19開催 舞台俳優が読む名作「杜子春」&「マスク」での様子)
プリズムエントランスロビーでも芥川の作品に関する特別展示のパネルを設置!芥川の人生、そして作中に登場する作品などを紹介していました!
関連企画としては「コロナ禍で学んだ大切なこと・気づいたこと」も募集し、川柳や短歌といった作品が集まり、公演当日には小ホールホワイエにて展示されていました。
さらに、プリズムホール1階のオープンコーナーでは関連企画として八尾図書館3階にある今東光資料館の出張展示「百年前、文藝春秋創刊の頃」も開催!
八尾市ゆかりの直木賞作家・今東光と交流のあった芥川龍之介、菊池寛、川端康成についてパネル展示が行われていました。
作品の理解を深めるのにも役立つ内容で、公演の前後でたくさんの方でにぎわっていました。
『逃げろ!芥川』いよいよ開演!
文学座公演『逃げろ!芥川』は劇作家が『hana-1970、コザが燃えた日-』で2022年に話題を呼んだ畑澤聖悟さん。
演出が文学座の西川信廣さん。
芥川龍之介が親友の菊池寛と1919年5月に出掛けた長崎旅行の道中で起きる不思議な出来事を描いていきます。
この時代は世界的にスペイン風邪が大流行していた頃。今作では芥川が菊池を伴って、流行感冒から逃れるという名目で
長崎へ向かったとしており、コロナ禍を経た現代とのリンクを生み出しています。
劇中の登場人物や出来事、セリフはその多くが実在の人物や史実、芥川・菊池らの著作に基づいて濃密に作られ、
キャストの皆さんの好演も相まって特に文豪マニアの方々には大熱狂・感涙の舞台となっているでしょう!
親友同士の文学的トークから次第に通俗小説的展開に変わっていくところとか、“芥川”って感じがして楽しいですね!
反面、芥川・菊池周辺のこの頃の文壇の知識がないとかなり話そのものは捉えにくい面もありますが、その辺りは文学座公演です!
完成度の高い演出の妙、役者の熱、舞台を彩る音にも魅了されて、前提知識が無くとも少し不思議な列車の旅と愛おしい人々の生き様に惹きつけられていきます……。
カーテンコールでは万雷の拍手! 公演後はパンフレットやグッズ販売コーナーもにぎわいました!
プリズムホールでは今後もまだまだ身近に演劇と親しめる企画が多数予定されています。
プレイベントも含めて、今回の文学座公演で演劇の面白さを体感できた方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
ぜひホームページなどでイベントをチェックして、これからもどんどん演劇の魅力にのめり込んでください!